私「すいませ~ん、今晩の部屋を探してるんですけど(やや大きな声で)」
紅茶を飲んでます。
私「すいませ~ん、今晩の部屋を探してるんですけど(明らかな大声で)」
紅茶を飲むのを止めて、こっちを向きました。
職員 「インサイド オア アウトサイド?」
私 「はっ?」
職員 「インサイド オア アウトサイド?」
どうやら街の中のホテルがいいか、郊外のホテルがいいか聞いているみたいです。
近いほうがエエに決まってますよね。
私 「インサイド プリーズ!」
職員 「ナッシング!」
なんでやねん、無いんやったら最初から言うなや。
私 「じゃあ、アウトサイドで(英語)」
職員 「5時にまた来て(英語)」
私 「ハッ?」
職員 「5時にまた来て(英語)」
私 「ボクラ、ゴジニ、マタ、クル(片言の英語)」
職員 「そう!(英語)」
訳わかりません。
日本やったらキレて外へ出てるところですけど、
ベッドの上で寝たかったらここしか頼るところが無いのでここは我慢です。
待つしかないんです。
「ガチャ」
突然、日本人が入ってきました。
ラッキー、何とかなるかも!
私 「あの~日本人の方ですか(日本語)」
日本人 「ええ」
ヨッシャ!
私 「実はかくかくしかじか困ってまして」
日本人 「大変だね」
私 「ええ・・・(かわいい子犬のように)」
日本人 「ところで強制両替ってした?」
そら強制やからな。
私 「ええ、まぁ」
日本人 「したんだ、幾ら?」
私 「2日しかいないんですけど、とりあえず100DM」
日本人 「100DM!! 死ぬね」
私 「えっ」
日本人 「じゃあ、友達来たんで」
私 「ええっ!!」
捨て台詞吐くだけ吐いて行ってしまいました。
やっぱり多かったんかなぁ。
不安がよぎります。
駅で買った地図を見るとところどころにHのマークが。
私「これホテルちゃう?」
T「高そうやけどだめもとで聞いてみるか」
インターホテルという外国人観光客向けの高いホテルでしたが、
お金が余るかもしれない、という予想がボク達の気を大きくしていました。
最初にあたったのはプラゴトゥールのすぐ前にある「ホテルパジーシュ(Pariz)」、堂々の四つ星です。

回転ドアをまわしてフロントに行きました。
私 「ツインルームありますか?(英語)」
フロント 「ツーハンドレッドダラー!」
激しく簡単な英語でしたが、桁があんまり違いすぎて全然理解できませんでした。
私 「すいません、もう一回言ってください(英語)」
フロント 「ワンハンドレッドダラーパーパーソン!」
なるほど、一人100ドルか・・・・確かにこのグレードにしては安いかも。
って1万円超えるやん!
今持ってるの9千円やっちゅうねん。
しかもコルナで!
意味無いや~ん。
私 「失礼しました(英語)」
念のため、近くにある他のインターホテルにもあたってみますが、結果は同じでした。
5時になりました。
ずっと座って待っていたTによれば
彼女達、空き部屋情報をゲットした形跡が無いみたいなんです。
基本的に1時間ずっと紅茶を飲んでおしゃべりをしていたそうです。
猛烈に不安になりましたが、約束は約束です。
カウンターに近寄り、今度は最初から大声で話しかけました。
私 「すいませ~ん(英語)」
職員 「地図を貸しなさい(英語)」
私 「ハッ」
職員 「いいから地図を貸しなさい!(英語)」
貸しました。
彼女は地図を広げ、中心部からだいぶ離れたところに丸印をつけました。
職員 「ホテルシュポルト(SPORT)!」
私 「はい」
職員 「そこのトラム乗り場からなんとかかんとか・・・」
行きかたは結局良くわかりませんでした。
でも地図上の場所がわかったので、たどり着けるはずです。
プラゴトゥールを出た我々は、満足感でいっぱいでした。
ついに、ホテルが取れたんです!!
T 「で、幾らするって言ってたっけ?」
私 「アッ・・・」
T 「でも今まで起こってきたことを考えると、高いはず無いやろ」
私 「そやな、でも激安やったら激安で、お金余ってまうよな」
T 「イッ・・・」
ビールはまだ出てきませんが、お後がよろしいようで。
(続く)